Small dreams≧Real life

ルポライターを目指し日々奮闘中。日常の些細な事だけでなく完全オリジナルの記事を含めて幅広くジャンル関係なく書いてます。「夢を持つこと」と「子供のような遊び心を忘れないこと」でカッコいい大人になる!!

ジョージ・オーウェルの「葉蘭を窓辺に飾れ」を読んだ。

前書き

オーウェルの作品を始めて読みました。

まずは代表的な「1984」「動物農場」「パリ・ロンドン放浪記」からいくのが、順当なんでしょうけど、ぼくは「葉蘭を窓辺に飾れ」から入りました。

普段は海外文学を読むことなんてないんですが、この作品は気に入りました。

テーマは「お金」

この作品の主人公となるゴードンはかなり極貧の生活しています。書店(貸本屋)で働き、自らも詩や、小説を書いています。しかも人並みの生活が出来る職を捨てた結果が現在の生活でした。中々厄介で面倒くさいタイプの主人公です。さらに、自らの不満を社会構造に転化し社会主義思想に傾倒していきます。つまり自分が上手く行かない原因を、広く社会に求めるわけです。

そして「お金」に翻弄される生活の全て赤裸々ににオーウェルは綴っています。

この作品を読むと安い食べ物だろう、食べられるだけ彼と全然マシ。

彼らと比較したら言葉も出ません。

この当時のイギリスの貧困レベル半端ないですよ。馬鹿に出来ません・・

ぼくたちは、恵まれた生活をしているわけです。欲求の奴隷となり上を見たらキリがないですが十分良い生活ですよ。

「お金がない=精神的余裕がない」の図式

お金がないと人並みの生活が出来ないのは当然ですが、精神的にも非常にマズい。

主人公のゴードンは、お金がないから

  • 彼女に馬鹿にされる
  • 友達も出来ない
  • 差別され馬鹿にされる

とあらゆる場面で「自分にはお金がない」と思うことで、ネガティブになっていきます。つまり全てお金がないから上手くいかないと安易に結び付けることになります。ここまでお金に括りつける人間は中々いませんから面白い。

ところでもし貧乏で飢え死に死そうな時、周りが善意で恵んでくれたりすることありますよね。ぼくだったら有り難く受け取るんですが、ゴードンはプライドが高いから受け取らない。何か弱みを見せたくない気持ちが強いのか断固として拒否するんです。この辺は堅気な態度を取る部分は賛否両論となるんでしょうね。

それでオーウェルはホントに凄いですね。心理描写から、貧乏特有の行動まで細か~く綴られています。これって貧乏人にならないと分からない気持ちですよね。ちなみにぼくは貧乏になのでよく分かります笑 ちなみにゴードンは、常に自分の全財産の額を持ち歩いていて、ことある毎にポケットの硬貨を確認するんです。

昔ぼくもやっていました。そう駄菓子屋さんに行くときです。

不安心から常にポケットの中のお金を確認しちゃうんですよね・・・・・

 

葉蘭を窓辺に飾れ

葉蘭を窓辺に飾れ

 

 酒に飲まれたゴードン

たまたま公募に出していた作品で臨時収入を得る場面があるんですが、そこからゴードンの言動が変わり一晩の間で、酒に飲まれていくわけです。今で言うところの「酒に酔っ払って羽目を外し捕まる」感じですね。酒に飲まれると本当に怖いですね。最終的には朝になって目が覚めたら効果が切れるわけですけど。既に時遅し。冗談抜きでお酒の力は怖い。女性とお酒がセットになった時は、覚悟しとくべきですね。何があるかわからないですから……

それでこの場面では、結局貧乏人はお金の使い方を知らないことを暗示しています。現代でも成金として高級な車を買ったり、アクセサリーなど奢侈品に浪費する人もいますよね。お金の力を借りて大きく出ちゃう人は、危ないかも。

絶望の淵

ゴードンは捕まって新聞に載る。勿論社会的に抹殺され身内(ジュリア)、友人、彼女(ローズマリー)そして職場にも情報が漏れる。つまり全てを失うことになったのだ。

その後のゴードンは、ラブェルストンの家に居候することになる。職もない彼のプライドは許さない。しかし仕方ないことだった。そうでもしないと道端で餓死する浮浪者になるしかない。そして暫くして貸本屋の伝で、何とか仕事を見つける。

ここからゴードンは別に世間的にもそこそこの生活が不可能なわけではない。自ら拒絶して破滅型の人生を送っているのだ。

ローズマリーと結婚

結婚を気に身を入れて働くことはいつの時代も変わってないのかもしれない。

今まで彼女を抱くことが出来なかったゴードンは、関係を持ち子供が出来る。そこからは心を入れ替え、軽蔑していた人間達の一員となる。

印象的な本文を引用する。

以下の言葉でゴードンの心境の変化からくる予想外の行動(マトモな職に付き結婚して、子供を持つ)の全てが解明出来ます。

彼等はただ忙しく生まれ、結婚し、子供を作り、働き、そして死んで行くだけだ。これで耐えて行けるのなら、自分も彼等の仲間になり、大勢の人たちと混ざり合って生きて行く、これも悪いことではないのかも知れない。

「葉蘭を窓辺に飾れ」2009 彩流社P,311より          

最後の展開は穏やかなエンドで、今までの抵抗は何だったのかと思いました。諦めの境地からゴードンも一員となる自覚を持ったわけですね。

最後に作品のシンボルとなる葉蘭を置きたいと主張するわけです。

おしまい。