Small dreams≧Real life

ルポライターを目指し日々奮闘中。日常の些細な事も含めて、オリジナル記事や創作したストーリーを載せています。

戸井十月さんの「南へ from the border」を読了♪

今回読んだ本は、戸井十月さんの「南へ from the border」です。

この本は20年以上も前の作品です(当たり前のことですが)

ネットで中古品を手に入れたのですが、シミや汚れで状態が悪かった……仕方ないですね。

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ただ中身は「南米」を舞台にかな~り濃い話がたくさん詰まっていて大満足でした。

特徴として1話完結の短編ではなく、全体として1本の筋で繋がっています。

日本の裏側にある南米大陸がすぐ身近にあるように感じて、ぼくも行った気分になりました。

それにフィクションなのに現実の話だと錯覚してしまうほど、人間的なふれあいとあたたかさがしっかりと込められていて、リアリティー溢れる作品です。 

主人公の達夫はクイズ番組のネタを集めるために、南米の各地を巡ります。

そこで道行く人との不思議な出会いと彼らの背後にある壮絶なドラマを知り、南米大陸に魅せられていきます。

特に「ありのままの現実」と「視聴者の求める番組」があまりにもかけ離れていて、メディアの恐ろしさが問題になる今日において、

改めて立ち止まってメディアの役割を考えてみるきっかけになりました。

ぼくらはメディアから世界の様子を間接的に知り、各国のイメージを抱くと思います。

しかしもしもこのように予め都合が良く制限枠内の世界に沿って、切り取るのであれば現実に即しておらず信憑性がないはずです。

極論をいえば自分の見たいものだけしか見てないわけですからね。

上から目線ですごくタチが悪いですし、自分勝手で、傲慢でかなり失礼で恥ずかしい。

自分が作り手となった瞬間に立場が逆転して「撮らせてください」から「撮ってやる」に変わることが原因ですよね。

例えばですが目の前で残虐な行為が起こっているのに、あえてそれを無視して明るいニュースばかりを流すなんてことがあればそれは立派な印象操作ですよ。

やっぱり自分の目で見たこと、経験したことが1番信用できますね。

もちろん物理的に不可能なことですが、そういう心構えでメディアと付き合っていくべきですよ。

メディアに翻弄されるのではなく、あくまで主導権はこちらにあって状況に応じて上手く使っていくのが賢いやり方かなと思います。

たぶんメディアが悪いんじゃなくて使い方にも原因があるんでしょうかね。

最後になりますが、「理想の南米」と「厳しい現実」の間のギャップが痛いほど伝わりました。

そしてジャーナリスト、ルポライター志望の方にぜひオススメしたい作品です♫

ジャーナリズムの使命に従い権力に立ち向かってありのままの現実を伝えることの基本的な考え方、スタンス、仕事の流れが少しだけ掴める作品ですので読んで損はありません。

戸井作品の中でもこの作品は気に入りました。

また折に触れて読み直す機会があると思うのでそれまではだいじに、だいじに、だいじに保管しておきます。

手放すとゲットできない気がするので……。

 

南へ

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